現在、水道工事に携わっている方、これから始めようという方が気になることの一つとして、将来的に継続して仕事があるかどうかではないでしょうか。
現在の水道施設の実情と行政の方向性をみると、ある程度判断できます。
今回は水道工事の仕事量が今後どうなっていくかについて、あくまでも私個人の意見になりますが述べさせていただきます。
進む老朽化:日本の水道施設の現状
日本の水道の多くは昭和40~50年代にかけて整備され全国に普及しました。
水道管の耐用年数はというと40年とされています。
これまでに更新工事を行ってきた場合は良いのですが、そうでない場合は多くの管路が耐用年数を迎えている現状です。
また、現在に至るまでに更新工事を行った管路についても、現在の耐震化性能を満たすためには、再度更新が必要な管路もあります。
こういった中、計画的に更新ができているかというと、多くの水道事業者で更新が追い付いていないというのが現状です。
人材的な問題や、財政的な問題もあり更新に取り組んではいるがそれ以上に老朽化の波が一気に来てしまい対応に苦慮している状況が多々あります。
終わらない更新工事
老朽化の問題を解消するためには、大きな資金を投じて更新スピードを追いつかせる必要がありますが、現実はかなり困難な状況です。
基本的に水道事業は水道料金の収入により成り立っているのですが、人口の減少、節水意識の向上、節水機器の使用等により十分な料金収入を得ることができません。
かといって、水道料金の値上げについても住民の声は反対が多く、簡単には踏み切れないところがあります。
このため、現状の更新ペースを大幅に上げることは難しいと思われます。
するとどういったことが起きるのでしょうか。
現在必要とされている箇所の更新工事を完了するのに、このままのペースでは10年といわず20年もしくはそれ以上かかるというのが実情ではないかと思われます。
メイン管から分岐する枝管まで含めると相当な年数になるはずです。
そしてすべての更新が終わった時、早い時期に更新を行った管路が更新時期を迎えている・・・
こうして延々と終わらない更新工事を続けていくことになる可能性は十分にあります。
実際には材料の性能向上による実耐用年数は伸びていくと思われますので、少しずつ更新工事と老朽化のスピードのバランスが取れてくるのでしょうが、この状態になるには時間が必要です。
公共工事は続いてく・・・
これまでのことから更新工事だけで考えても、継続的に発注されていくと思われます。
もちろん工事は更新工事だけでなく新設工事もあれば、道路改良工事等に伴って水道移設工事が必要となる場合もあります。
基本的には水道工事の発注が簡単に途切れるというのは考えにくいです。
もちろん、年度によって建物や機器類の発注割合が多くなることもあるでしょうが、本管工事、枝管工事、それに付随する給水工事は今後も継続していくはずです。
本管工事だけじゃない
ここまで水道本管の話をメインにしてきましたが、給水管についても同様です。
個人宅や施設等の配管も同様に古くなっていきます。
個人宅の場合は部分的な修理で済ませる場合が多いかと思いますが、公共施設、商業施設等ある程度の規模を超えると、それなりに大掛かりな回収が行われ、ここでも仕事が発生してきます。
これに新築工事等も加わってきます。
こう考えると、なかなかの仕事量が存在するのではないでしょうか。
水は生きていくうえで欠かせない
人々が生活しているところには、「水」の確保が欠かせません。
そしてこのライフラインを支える仕事は簡単になくなることはありません。
仕事を取れるか取れないかは、営業方法により差が出るとは思いますが十分な仕事量は将来的に見ても存在していると思います。
ぜひとも頑張ってください。
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