水道本管の仕切弁について

水道本管工事に使用される仕切弁ですが、その使用においていくつかの注意点があります。

ご存じの方も多いと思いますが、今回はこの仕切弁についてご説明します。

右まわし左まわし?

仕切弁には右まわしで閉じるものと、左まわしで閉じるものがあります。

この使い分けは水道事業者によって様々で、地域によって異なっていたり、用途によって異なっているケースがありますが、皆様の地域ではいかがでしょうか。

特に平成17年をピークに実施された市町村合併により、同じ自治体の中でも地域によって仕切弁の取り扱いが異なることがあります。

同じ回転方向のものしか扱ったことがなく、それがあたりまえと思っている方は注意が必要です。

工事受注時は発注前に確認を!

工事を受注し、材料を発注する際は必ず回転方向を確認するようにしてください。

公共工事の場合は材料承認図等を提出するため、その時点でチェックが入りますが確認もれが無いとは限りません。

回転方向の違いについて後から指摘された場合、もちろん承認図を提出しているわけですから、発注者に対して「確認済み」を主張してもいいのですが、設計書や特記仕様書等に回転方向が記載されていた場合、発注者側から反撃にあうかもしれませんし、こういったトラブルは避けるべきです。

設計書照査の段階できちんと確認しましょう。

外見での見分け方

仕切弁は回転方向によって、外見に違いがあります。

特に現場に設置されているものについては、この外見の特徴で判断することができます。

特徴はスピンドルキャップの部分にツバがあるかないかで、ツバありの場合は右まわしで閉じ、左まわしで開ける仕切弁となります。

操作は慎重に

基本的に本管の仕切弁については、水道事業者の職員が操作をすることとなっている地域が多いと思いますが、もし皆さんが操作をするようなことがあれば十分に注意を払う必要があります。

弁体に水圧が掛かっている、「開け始め」と「閉め切り前」は特に注意が必要です。

この時の操作は、じわじわと時間をかけて行わなければなりません。

一気に開けたり、閉じたりした場合は管の破裂や赤水を発生させることにつながります。

そして、この仕切弁操作にも地域性があったりします。

とにかく時間をかけて間を置きながら少しづつ回転させる場合もあれば、開け始めや締め切り前だけスピードを抑える程度の場合もあります。

単にこれまで引き継がれた操作方法の違いというケースもあるのですが、それ以外にも「赤水が発生しやすい管路」で注意が必要だったり、水圧が高いため操作に注意が必要だったりといったケースがあります。

仕切弁の操作は思いがけない事態を生じさせることもあるので、基本的には水道事業者の職員に対応を求めるべきだと思います。

もし操作をするようなことがあれば注意点等について十分に確認を行ってください。

水が止まらない?!

仕切弁に限らず、メーターバルブやスリース弁等でも同じですが、閉め切ってもチョロチョロと水が止まらないことがあります。

原因の一つとして管内のサビ等、ちょっとしたものが噛みこんでいることが考えられます。

こういった場合、一度開けてみることでサビ等が流れ、きれいに止まる場合もあるのでお試しください。

何度やっても止まらない時は止まりませんが・・・

終わりに

水道業者様の中には、日常の維持管理業務を受託して、普段からバルブ操作を行っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そういった方も、初めての地域で操作を行う場合は油断することなく、普段操作している方に確認をするようにしてください。

操作をしない方も、工事を請負った際の材料発注時には確認を欠かさず、トラブルの無いように心がけてください。

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