給水工事を行う場合、指定給水装置工事事業者の指定を受けなければなりません。
この指定を受けるために必ず必要となるのが「給水装置工事主任技術者」の資格です。
今回は、この給水装置工事主任技術者という資格について解説いたします。
給水装置工事主任技術者とは
すでにご存じの方も多いとは思いますが、まずはこの資格についてご説明いたします。
給水装置主任技術者とは、給水装置工事主任技術者試験(国家試験)に合格し、交付申請により厚生労働大臣より給水装置工事主任技術者免状の交付を受けた者をいいます。
この資格がないと、給水工事店として水道事業者からの指定(指定給水装置工事事業者)を受けることができません。
つまり、給水工事を行う場合は必須といえる資格になります。
実務経験が必要とされる資格です
後で詳しく説明しますが、水装置工事主任技術者の受験資格として「給水装置工事に関して3年以上の実務の経験を有する」というものがあります。
このため、例えば個人事業主として水道工事店を立ち上げようとした場合も、それ以前に実務経験を積み、そのうえで試験を受け資格を取得する必要があるため注意が必要です。
一般建設業許可の管工事業における主任技術者、専任技術者になれます
資格取得後、1年以上の実務経験必要ではありますが、これを満たすと一般建設業許可の管工事業における主任技術者、専任技術者となれます。
技術者の確保は、経営事項審査や公共工事の受注において有利に働きますので、管工事業の建設業許可を取得している方は、受験資格を満たす従業員の方が積極的に資格取得を目指せるような環境づくりをしてはいかがでしょうか。
試験概要
試験日程
年に1回、実施されています。
例年では6月前後に申込み、10月に試験といったスケジュールで実施されています。
【参考】 令和2年度 試験日程
申込期間:令和2年5月25日(月)~ 7月3日(金)
受験票発送:令和2年10月1日(木)
試験日:令和2年10月25日(日)
合格発表:令和2年11月30日(月)
受験場所
全国の主要都市で実施されています。
【参考】令和2年度 試験開催地
北海道、東北、関東、中部、関西、中国四国、九州、沖縄
※例年の試験会場は現地の大学、専門学校、研修センター等となっています。
試験内容
下記の8科目より出題され、出題数は60問となっています。
例年の出題状況は、下記に記載する1~6の科目より40問、7~8の科目より20問が出題され、解答はマークシートによるものとなっています。
【参考】令和2年度 試験科目
- 公衆衛生概論
- 水道行政
- 給水装置の構造及び性能
- 給水装置工事法
- 給水装置計画論
- 給水装置工事事務論
- 給水装置の概要※
- 給水装置施工管理法※
※印の科目については、一級又は二級の管工事施工管理技術検定合格者は免除を受けることができます。
合格基準は試験問題、解答とともに試験実施後に公表されます。
【参考:令和元年度の採点基準】※免除科目なしの場合
配点は1問1点で上記1~6の科目における合計点数が27点以上、すべての科目の合計点数が40点以上であること。
さらに、各科目の点数が下記の点数以上であること。
- 公衆衛生概論:1点
- 水道行政:1点
- 給水装置の構造及び性能:4点
- 給水装置工事法:4点
- 給水装置計画論:2点
- 給水装置工事事務論:2点
- 給水装置の概要:4点
- 給水装置施工管理法:4点
試験の難易度
これから受験を考えている方が気になるのは、やはり試験の難しさがどの程度のものかだと思います。
ここ数年の合格率を見ると、30%~40%程度を推移しており、めちゃくちゃ難しいというわけではありません。
ただし、合格基準をもう一度見てほしいのですが、各科目に足切り点が設けられています。
基準点自体は低めですが、「この科目は捨てる」ということをした場合、足切りに合ってしまう可能性もありますので、どの科目も一通り準備をしたうえで試験に臨む必要があります。
試験はマークシート方式で、過去の問題を見ていただけると分かると思うのですが、似たような問題も繰り返し出題されおり、試験対策としては、過去の問題を繰り返し解くことで十分に合格ラインに届くと思います。
また、実務経験が長い方や管工事施工管理技士等の資格を所有している方は、現時点である程度の点数を取れる力を持っている可能性もあります。
一度、過去の問題に目を通してみてください。
終わりに
今回は給水工事を行ううえで必ず必要となる給水装置工事主任技術者について解説しました。
受験資格を満たしている方は積極的に受験を考えてみてはいかがでしょうか。
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