給水工事を行う場合は、あらかじめ工事の申請を行わなくてはなりません。
申請手続き、工事のルールといった部分は、その給水区域の管理者によって、違いがあるので注意が必要です。
なお、ここでは工事業者としての指定を受けていることを前提としての説明とさせていただきます。
事前調査
まずは工事予定箇所の事前調査です。
これは、必ず行ってください。
面倒くさがって事前調査を行わなかったために、トラブルが発生するといった事例は多々あります。
水道はあってあたりまえ?
給水工事の現場には、水道業者以外にも設計業者、土木・建築業者等といった多くの関係者がいます。
その中で建設に伴う条件を整え、実際の施工に向かうわけですが、水道については確認が十分でないケースが見受けられます。
中には建設予定地付近に、民家があったり、道路に仕切弁BOXがあるのをみて水道は大丈夫といった程度の判断しかなされていない場合があります。
そして、いざ給水工事を任された皆さんが現場に入ってみると、「話が違~う!」といったことになります。
特に水道業者が現場に入るタイミングでは、既に施主と元請の契約がなされ建築工事が開始されている場合が多く、大幅に金額が変わってしまう場合に誰が負担するのかという話になってしまいます。
給水工事を頼まれた場合でも、ご自分で現場の条件を確認することをお勧めします。
こんなトラブルもあります
確認不足が原因で生じたトラブル事例を紹介します。
いずれも、元請業者から水道本管は家の前にあるからといって、給水工事を頼まれたものの、実際は異なったケースです。
施主と元請の契約は終わっていて、既に基礎工事に入っている中、大幅な追加費用が必要となってしまういうような、考えただけでゾッとする事例がありました。
<その1>
近くに民家があるからと思っていたら、かなり遠くの本管から「個人の給水管」として自宅までの引込工事をしたもので、口径も小さく、分岐に応じてもらえない。
本管から給水管を引くには500m以上の距離を道路埋設しなければならず、費用が大きく膨らんでしまう・・・
<その2>
目の前の道路に仕切弁があるのをみて、本管があると判断。
実際は「導水管」(川などから原水を浄水場へ送っている管)で飲み水には使用できないし、当然分岐もできません。
で、本管はというと・・・・
近くにはない・・・
これまた、100mを超える距離を敷設しなければいけません。
2つの事例共に、思い込みと確認作業を怠ったため生じたトラブルです。
「いくら何でもそんな失敗はしないよ」といった声が聞こえてきそうですが、どちらも実際にあった事例です。
工事に関わる様々な事例や情報を得る機会は多々あったのですが、「まさか」というようなことも頻繁に耳にします。(この事例のようなトラブルは稀かもしれませんが)
書類作成
必要な調査を終えると見積もり、工事等の書類づくりに入ります。
現場の状況から見積もりを行い、建築業者から正式に依頼を受けたら必要な準備を進めていきます。
水道工事の場合、建築業者の工程に左右される部分が多く、予定より早く作業に入るよう頼まれるケースも多いので、申請、許可手続き等は余裕をもって終わらせ、いつでも現場に入れる体制を作っておく必要があります。
工事申請手続き
まずは、管轄の市区町村へ工事申請を行わなければなりません。
様式や手続きの流れは申請先によって様々ですので、初めての場合は十分に確認を行ってください。
申請書類は主に工事費の明細と、図面になります。
建築業者の図面等を参考に図面を作成し、必要な材料、労務費等を計上します。
図面については、平面図及び立面図の作成を求められるところが多いようです。
これに加えて、下水の場合は縦断図が求められます。
水道の設計をするうえで注意しなくてはいけないこととして、本管からメーター器までの配管方法です。
この部分については地域によって使用材質やメータ器、止水栓の配置等が決められている場合が多くあるため、これに基づく設計、図面となっていなければいけません。
この他にもそれぞれの地域で決められているルールがあるため、初めて施工する地域では注意が必要です。
また、図面の記載方法についても色分け、給水記号等について指定されている場合があるので、これについても確認が必要です。
関連手続き
工事申請と合わせて、工事施工に必要となる許可申請が多くの場合必要となります。
水道工事の場合、道路に埋設された本管から宅地へ給水管を引き込む作業があるため、道路等の占用許可申請及び道路使用許可がほとんどの場合必要と考えられます。
地域によっては、道路占用許可や関係者の同意書等が揃っていないと工事申請を受け付けてもらえないところもあるので、手続きの順番に注意が必要です。
工事の施工
必要な手続きを済ませ、実際の工事に入ります。
工事においては申請先の担当による検査を受けなければなりませんが、ここでも地域による違いが多くみられます。
完成検査のみの場合もあれば、複数回の検査を受ける必要があったり、水圧検査の試験水圧、試験時間等も様々です。
施工場所によって柔軟に対応していかなければなりません。
地域性を掴むことがスムーズな工事につながります
ここまでの説明でわかるように、水道工事に伴う「ルール」はその地域によって違ってきます。
初めての地域で工事をする場合などは、まず書類作成の流れ、施工条件、検査方法等を十分に確認してください。
(水道業者向けに工事施工の流れを配布している自治体も多いです)
水道工事の手続きでお悩みでしたら、ご相談ください。
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